早期退職を実施する会社は2.8%!割増退職金の相場と損得を計算
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早期退職を実施する会社は2.8%!割増退職金の相場と損得を計算

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数字ラボ編集部
#早期退職#割増退職金#希望退職#退職金#キャリア

「うちの会社でも早期退職の募集があるかも…」

ニュースで大手企業の希望退職募集を見るたびに、こんな不安を感じたことはないだろうか。

この記事では、早期退職制度の対象になる確率を実際のデータから計算し、割増退職金の相場や損得を数字で解説する。

【結論】早期退職の確率と割増金まとめ

まず、結論から数字で見てみよう。

項目数値補足
大企業の実施率約2.8%東証プライム企業
50代が対象になる確率約10〜30%実施企業に勤務の場合
割増退職金の相場年収の1.5〜2倍勤続年数で変動
平均受取額2,326万円45歳以上・勤続20年以上

結論として、大企業(東証プライム)の約2.8%が早期退職を実施している。あなたの勤務先が実施した場合、50代で対象部門にいれば10〜30%の確率で声がかかる計算だ。

早期退職の対象になる確率は?データで計算

早期退職制度の対象になる確率を、東京商工リサーチのデータから計算してみた。

上場企業全体での確率

指標2024年2025年(途中)
実施企業数57社41社
募集人数10,009人11,045人
プライム企業実施率2.8%増加傾向

2024年の東京商工リサーチ調査によると、上場企業で早期退職を実施したのは57社、募集人数は10,009人だった。

東証プライム上場企業(約1,800社)のうち、早期退職を募集したのは40社。つまり大企業の約2.8%が早期退職を実施している計算になる。

あなたが対象になる確率の計算式

対象になる確率 = 会社が実施する確率 × 年齢・部門が該当する確率

具体的な計算例(50代・大企業勤務の場合):

  • 勤務先が実施する確率:約3%
  • 実施された場合に50代が対象になる確率:約30%
  • 総合的な確率:3% × 30% ≒ 約1%

ただし、電気機器・製造業などの構造改革が活発な業界では、この確率が数倍に上がる。

年代・条件別の目安:

  • 大企業勤務 + 50歳以上 + 対象部門:実施されたら10〜30%
  • 大企業勤務 + 40代 + 一般部門:実施されたら2〜5%
  • 中小企業勤務:実施自体が稀(1%未満)

黒字企業でも早期退職を実施するケースが増えている。2024年は実施企業の59.6%が直近決算で黒字だった。

割増退職金の相場はいくら?

早期退職に応じた場合、どのくらい上乗せされるのか。

割増退職金の相場

割増パターン金額目安適用ケース
月給×勤続年数360〜600万円一般的な上乗せ
年収×1.5倍750万円前後標準的な優遇
年収×2倍1,000万円前後手厚い企業
年収×2〜3倍1,000〜1,500万円大手企業の大型募集

厚生労働省のデータによると、早期退職を利用した人の退職金平均は2,326万円。これは定年退職者の平均1,983万円より343万円多い

2024〜2025年の実例

企業名募集人数対象条件
コニカミノルタ2,400人グループ全社
資生堂1,500人国内拠点
ジャパンディスプレイ1,500人従業員の56%
オムロン1,000人間接部門中心
リコー1,000人50歳以上対象

※パナソニックHD、日産自動車なども大規模な人員削減を発表しているが、早期退職募集の具体的人数は非公開のケースが多い。

早期退職の損得を期待値で計算

割増退職金をもらって辞めるのは、本当にお得なのか?期待値で考えてみよう。

ケーススタディ:50歳・年収600万円の場合

早期退職した場合:

  • 通常退職金:1,500万円
  • 割増金(年収2倍):1,200万円
  • 合計:2,700万円

定年まで働いた場合(65歳まで15年):

  • 年収600万円 × 15年 = 9,000万円(税引前)
  • 定年退職金:1,983万円
  • 合計:約1億983万円
博士
博士

単純計算だと働き続けた方が得に見えるけど、再就職できれば話は変わるんだ。

再就職した場合の損得分岐点

再就職の年収15年間の総収入損得
400万円8,700万円-2,283万円の損
500万円10,200万円-783万円の損
550万円10,950万円-33万円の損
600万円11,700万円+717万円の得

※上記は税引前(額面)での比較。実際の手取りは税金・社会保険料で異なるが、退職金は退職所得控除により税負担が軽い。

つまり、現在と同等以上の年収で再就職できれば、早期退職は得になる。

早期退職の対象者はどう選ばれる?

対象になりやすい人の特徴

条件詳細
年齢50歳以上が最多(一部企業は45歳以上)
勤続年数20年以上が一般的
部門間接部門・構造改革対象部門
役職管理職が対象になりやすい

最近の傾向

2024〜2025年のデータを見ると、以下の傾向がある:

  1. 年齢制限の引き下げ:従来の50歳以上から45歳以上へ
  2. 黒字リストラの増加:業績好調でも構造改革として実施
  3. 電気機器業界が最多:2025年は全体の4割が電気機器メーカー

注意: 希望退職は「希望」とはいえ、実質的に退職を促されるケースもある。応募しなかった場合の処遇変更リスクも考慮が必要。

早期退職に応募すべき?判断基準

応募を検討すべき人

  • 再就職先の目処がある
  • 副業やフリーランスで収入を得られる見込みがある
  • 今の仕事にやりがいを感じていない
  • 健康上の理由で長く働くことに不安がある

慎重に考えるべき人

  • 住宅ローンが多く残っている
  • 扶養家族が多い
  • 再就職市場での競争力に不安がある
  • 現在の年収が高い(再就職で下がる可能性大)
博士
博士

大事なのは「割増金の額」じゃなく「その後の収入見込み」なんだよね。

早期退職に関するよくある質問

Q. 早期退職と希望退職の違いは?

早期退職制度は恒常的な制度として設けられているもの。希望退職募集は一時的な人員削減のために行われる。割増退職金は希望退職募集の方が手厚い傾向がある。

Q. 早期退職の割増金に税金はかかる?

退職所得として課税されるが、退職所得控除が適用されるため税負担は軽い。勤続20年超なら「800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)」が控除される。

Q. 応募しても会社から断られることはある?

ある。会社にとって必要な人材の場合、慰留されたり応募が認められないケースもある。逆に言えば、すんなり通る場合は…。

Q. 割増退職金の交渉はできる?

希望退職募集の場合は難しい(一律の条件で設定されていることが多い)。ただし、退職勧奨を受けた場合は交渉の余地がある。

まとめ:早期退職の確率と判断のポイント

項目結論
対象になる確率大企業の約2.8%が実施、50歳以上は要注意
割増金の相場年収の1.5〜2倍が目安
損得の分岐点同等年収で再就職できれば得
判断基準割増金より「その後の収入」を重視

早期退職制度の対象になる確率は決して高くないが、50歳以上で大企業の対象部門にいる場合は他人事ではない

大切なのは、募集があってから慌てるのではなく、今から自分の市場価値を把握しておくこと。いざというときに冷静な判断ができるよう、転職サイトへの登録やスキルの棚卸しを済ませておこう。

参考文献・データ出典

数字ラボ博士

数字ラボ編集部

日常の「なんで?」を見つけると計算せずにはいられない。難しいことも「要するにね」と噛み砕いて、数字で答えを出すよ。

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