【2026年】識字率ランキング世界版|読み書きできない大人は7.39億人
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「識字率って、もう先進国では気にする話じゃないでしょ」
そう思いがちですが、世界全体で数えると、読み書きができない大人はいまも 7億人以上 います。日本の人口の6倍近くです。
この記事では、UNESCOの最新データをもとに、識字率の世界ランキングと、そこから見える男女差を数字で整理します。
【結論】
2024年の世界の成人識字率は 88% 。裏を返すと、世界の大人からランダムに1人選んだとき 約8人に1人(12%) は基本的な読み書きができません。人数にすると 7億3,900万人 、うち 4億6,600万人(約63%)が女性 です。世界銀行の最新利用可能値で最下位は南スーダンの26.8%(2008年調査)。そして日本には 近年の識字率統計が存在しません 。
目次
世界の識字率は88%。残りの12%が7.39億人
まず全体像から見ます。UNESCOの2024年時点の集計です。
| 指標 | 2015年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 成人(15歳以上)識字率 | 86% | 88% |
| 若者(15〜24歳)識字率 | — | 93% |
| 読み書きできない成人 | — | 7億3,900万人 |
| うち女性 | — | 4億6,600万人(約63%) |
9年間で2ポイント改善しました。それでも12%が残っている、というのがいまの世界です。
率で見ると「88%まで来た」ですが、人数で見ると7.39億人。世界人口が増えているので、率が上がっても人数はなかなか減りません。
識字率が低い国ランキング【ワースト20】
国別の識字率です。ここで先に注意点をひとつ。
以下の表は 世界銀行が公開するUIS(UNESCO統計研究所)由来の成人識字率 から、国ごとの最新利用可能値を抜き出して並べたものです。識字率は各国が実施した調査に基づくため、 調査年が国によってバラバラ です。南スーダンは2008年(独立前、スーダン南部としての調査)、イエメンに至っては1994年の値が最新として使われています。順位は「最新値どうしを並べたもの」で、同じ年の比較ではありません。
| 順位 | 国 | 識字率 | 調査年 |
|---|---|---|---|
| 1 | 南スーダン | 26.8% | 2008年 |
| 2 | チャド | 30.6% | 2019年 |
| 3 | ニジェール | 35.6% | 2022年 |
| 4 | マリ | 35.6% | 2024年 |
| 5 | イエメン | 37.1% | 1994年 |
| 6 | アフガニスタン | 37.3% | 2021年 |
| 7 | ギニア | 39.6% | 2018年 |
| 8 | ブルキナファソ | 41.6% | 2023年 |
| 9 | 中央アフリカ共和国 | 42.4% | 2019年 |
| 10 | シエラレオネ | 43.6% | 2019年 |
| 11 | コートジボワール | 50.0% | 2021年 |
| 12 | セネガル | 50.4% | 2023年 |
| 13 | ベナン | 51.4% | 2022年 |
| 14 | ガンビア | 51.6% | 2021年 |
| 15 | スーダン | 53.5% | 2008年 |
| 16 | ソマリア | 54.1% | 2022年 |
| 17 | パキスタン | 58.9% | 2021年 |
| 18 | リベリア | 59.4% | 2010年 |
| 19 | モーリタニア | 59.5% | 2020年 |
| 20 | リビア | 60.2% | 1984年 |
ワースト20のうち 17か国がアフリカ 。アフリカ以外はイエメン・アフガニスタン・パキスタンの3か国で、いずれも長期の紛争や政情不安を抱えた地域です。ニジェールとマリは小数第1位まで同じ35.6%で、順位は小数第2位(35.61%と35.63%)で分かれています。
南スーダンの26.8%は「4人に3人が読み書きできない」水準です。ただしこれは2011年の独立前、2008年の調査値がそのまま最新値として残っているもので、現在の実態を示す値ではありません。
UNESCOが2025年9月版のUISデータベースを使って公表した「国際識字デー2025ファクトシート」では、対象を 2015〜2024年の調査に限定 しているため、同じ国でも値が変わります(チャド28%、南スーダン35%、マリ44%、エチオピア51.8%など)。上の表は「調査年を問わない最新利用可能値」、ファクトシートは「直近10年の調査に絞った値」で、どちらが正しいというより 抽出条件が違う と理解してください。
識字率が高い国は「100%」が並ぶ
上位はもっと単純で、 100%(統計上ほぼ全員) の国が横並びになります。ウズベキスタン、北朝鮮、ノルウェー、フィンランド、ルクセンブルクなどです。
ただしこれらの値も調査年はバラバラで、四捨五入して100%になっているだけの国も含まれます。上位が横並びになると順位そのものに意味がなくなるため、先進国どうしの比較には 後述するPIAAC(国際成人力調査) のような別の指標が使われます。
読み書きできない人の63%は女性
このランキングを別の切り口で見ると、国のあいだの差と同じくらい大きいのが 男女の差 です。
7億3,900万人の非識字成人のうち、女性は 4億6,600万人 。全体の約63%を女性が占めます。
差が極端なのがチャドです。
| チャド(2019年) | 識字率 | 男性との差 |
|---|---|---|
| 男性 | 44.5% | — |
| 女性 | 18.6% | −25.9ポイント |
女性の識字率18.6%は、 5人に4人が読み書きできない という水準です。国全体では30.6%なので、男女を分けて見ないと実態を取り違えます。
UNESCOは背景として、早婚や家事・育児による就学の中断を挙げています。校舎の有無だけでなく、 通い続けられる期間 のほうが効いている可能性があります。
地域別に見ると、2つの地域で77%を占める
非識字成人がどこにいるかを地域で割ると、極端に偏ります。
| 地域 | 非識字成人 | 識字率2015年 | 識字率2024年 |
|---|---|---|---|
| 中央・南アジア | 3億4,700万人 | 72% | 77% |
| サハラ以南アフリカ | 2億2,500万人 | 65% | 69% |
合計5億7,200万人で、世界全体の 約77% がこの2地域に集中しています。
注意したいのは、この2地域が世界の非識字成人に占める割合が 2015年から2ポイント上がっている こと。識字率そのものは中央・南アジアが72%→77%、サハラ以南アフリカが65%→69%と改善しているのに、集中度はむしろ高まりました。人口増加で分母が伸びるスピードが、率の改善を上回っているためです。
「率は良くなったのに人数は増えた」は、人口が伸びている地域では普通に起きます。率と実数の両方を見ないと、状況を読み違えます。
日本の識字率は「99%」ではなく「不明」
ここが本題かもしれません。日本の識字率としてよく見る99%や100%という数字には、 裏付けとなる近年の全国統計が見当たりません 。
全国規模の識字調査は、 1948年の「日本人の読み書き能力調査」が最後 です。GHQの勧告を受けて全国405会場・16,820人を対象に実施されたもので、それ以降、識字率を全国規模で測った調査は確認できません。
国立国語研究所も、日本の識字率を示す近年のデータはないとしたうえで、識字率100%という理解は実態と合わないと指摘しています。義務教育を受けられなかった人や、成人後に夜間中学で読み書きを習得した人の存在は、どこにも数字として残っていません。
代わりの指標がPIAAC(国際成人力調査)
先進国の「読み書きの実力」を測るのは、いまはOECDのPIAACです。2022〜2023年に実施され2024年12月に結果が公表された第2回調査(31の国・地域)での日本の結果はこうなります。
なおPIAACは16〜65歳を対象に読解力などを得点で測る調査で、15歳以上に「読み書きができるか」を尋ねる識字率とは対象年齢も尺度も異なります。識字率の代わりというより、別の物差しです。
| 分野 | 日本の順位 | 補足 |
|---|---|---|
| 読解力 | 2位 | 平均289点 |
| 数的思考力 | 2位 | 男性296.8点・女性284.7点 |
| 適応的問題解決能力 | 1位 | フィンランドと同率 |
3分野すべてで世界トップ級です。ただし数的思考力は男女差が12.1ポイントあり、OECD平均の男女差(男性267.8点・女性258.2点=9.6ポイント)より開いています。 全体は強いが男女差は大きい というのが日本の形です。
世界の平均寿命や身長も同じように国際比較データが整っています。あわせて 世界の平均寿命ランキング も見ると、日本の立ち位置がつかみやすくなります。
識字率のデータを使うときの3つの注意点
1. 「識字率99%」を根拠に使わない
日本の識字率を数字として引用したいときは、出典が1948年調査にさかのぼることを確認しておくべきです。近年の実力を語るなら PIAACの点数 のほうが根拠になります。
2. 国別ランキングは調査年をセットで見る
イエメンの37.1%は1994年の値です。 30年以上前の数字が最新値として並んでいる ランキングだと理解したうえで使うほうが安全です。
3. 支援先を選ぶなら「女児の就学」を見る
非識字成人の63%が女性という偏りがある以上、支援の効果を見るときは男女別の数字まで確認したいところです。UNESCOも早婚や家事負担による就学中断を課題として挙げており、 校舎を建てる話と、通い続けられるようにする話は別物 です。
識字率ランキングでよくある質問
Q1. 世界の識字率は何%ですか?
2024年時点で成人(15歳以上)が88%、若者(15〜24歳)が93%です。2015年の成人86%から2ポイント改善しています。
Q2. 識字率が一番低い国はどこですか?
世界銀行が公開する最新利用可能値では南スーダンの26.8%です(2008年調査)。次いでチャド30.6%、ニジェール35.6%、マリ35.6%と続きます。ワースト20のうち17か国がアフリカです。ただしUNESCOが直近10年の調査に絞って公表した一覧ではチャド28%が最も低く、抽出条件で顔ぶれが変わります。
Q3. 読み書きできない大人は世界に何人いますか?
7億3,900万人です(2024年)。日本の人口の約6倍にあたります。うち4億6,600万人が女性で、全体の約63%を占めます。
Q4. 日本の識字率は何%ですか?
近年の全国統計は確認できません。全国規模の識字調査は1948年の「日本人の読み書き能力調査」が最後で、よく見る99%という数字の出所はたどれません。現在の読み書きの実力を示す指標としてはOECDのPIAACが使われます。
Q5. 識字率が改善しているのに非識字者が減らないのはなぜですか?
人口増加が理由です。サハラ以南アフリカは識字率が65%から69%に上がりましたが、非識字成人は2015年より増えています。分母の伸びが率の改善を上回っています。
Q6. 識字率の男女差はどのくらいありますか?
世界全体では非識字成人の約63%が女性です。差が大きいチャドでは男性44.5%に対し女性18.6%で、25.9ポイントの開きがあります(2019年)。
まとめ:識字率ランキングの結論
- 世界の成人識字率は 88% 。読み書きできない大人は 7億3,900万人 で、その 63%が女性
- 最下位は南スーダン26.8%(2008年調査)。ワースト20のうち17か国がアフリカに集中する
- 日本の識字率に 近年の全国統計はない 。実力を語るならPIAAC(読解力2位・数的思考力2位・適応的問題解決1位)を使う
率だけ見ると解決に近づいて見え、人数で見るとまだ7億人。 両方の数字をセットで 押さえておきましょう。