隕石に当たる確率は160万分の1?自分に直撃するのは宝くじより100倍低い
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隕石に当たる確率は160万分の1?自分に直撃するのは宝くじより100倍低い

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数字ラボ博士
#隕石#確率#災害#宇宙#比較

「隕石に当たって死ぬ確率は160万分の1。宝くじの1等より当たりやすい」

雑学として有名なこの話、半分は正しく、半分は誤解です。

160万分の1は、 大きな隕石が地域規模の被害を起こし、その影響で死亡する確率 。空から降ってきた石が自分の頭に当たる確率は、それよりはるかに小さくなります。

【結論】

隕石などの衝突で死ぬ確率は、地域規模の衝突で一生に160万分の1。ただしこれは、都市を壊す規模の衝突の影響で死亡する確率です。隕石が自分に直撃する確率は、一生で約20億分の1。宝くじを1枚買って1等が当たる確率(2,000万分の1)より100倍低い数字です。「宝くじより高い」は、めったに起きない巨大衝突が平均を押し上げた結果です。

隕石に当たる確率は160万分の1、ただし「直撃」の確率ではない

隕石に当たって死ぬ確率は、一生で約160万分の1です。 米テュレーン大学のスティーブン・A・ネルソン教授がまとめた、自然災害による死亡確率の表に載っている数字です。

ただし、この表をよく見ると、隕石に関する数字は性質の違う3つに分かれます。

どんな「当たり方」か 一生での確率 起きること
地球規模の巨大衝突 7.5万分の1 直径1km超の小惑星。文明が壊れる規模
地域規模の衝突 160万分の1 数十m級の天体が地域一帯に被害を出す
自分に直撃 約20億分の1 小さな隕石が体に当たる

上2行はネルソン教授の表、3行目は後で計算する値

「160万分の1」は2行目です。1908年のツングースカ大爆発(シベリアの森林約2,000km²がなぎ倒された)のような、空中爆発や衝突で周囲一帯が被害を受け、その影響で死亡するケースを指しています。 隕石そのものが体に当たる確率ではありません。

「宝くじより高い」と言われるのは平均のからくり

めったに起きない大災害が平均を押し上げる

なぜ地域規模の衝突でも160万分の1と高めに出るのか。理由は計算の仕方にあります。

都市を巻き込むほどの衝突はきわめてまれですが、起きれば一度に大勢が亡くなります。 この犠牲者を長い年月で割って平均すると、1年あたり・1人あたりの確率はそこそこの大きさになる のです。

人類が記録してきた数千年の間に、隕石の衝突で大勢が亡くなった確実な例はありません。それでも確率が160万分の1になるのは、「いつか来る大災害」をならして計算しているからです。宝くじの還元率が、ごく一部の1等の高額当せんに大きく引き上げられているのと同じで、平均はふつうの人の実感とずれます。

宝くじの数字の詳しい中身は、宝くじの期待値でまとめています。

隕石が自分に直撃する確率は一生で約20億分の1

では、空から降ってきた隕石が自分の体に当たる確率はどれくらいか。2つの方法で計算してみます。

計算1:地球の面積と人の大きさから

南極の隕石データを使った研究では、総重量50gを超える隕石の落下は、地球全体で年約1万7,000回と推定されています。これが地球のどこに落ちるかは、ほぼランダムです。1回の落下で石が複数の破片に割れることもあるので、ここでは「落下1回=人1人分の面積に当たるかどうか」とみなして桁をつかみます。

項目 数値
隕石の落下(総重量50g超) 年約1万7,000回
地球の表面積 約510兆m²
上から見た人の体の面積 約0.2m²
1年で自分に当たる確率 1万7,000 × 0.2 ÷ 510兆 = 約1,500億分の1
一生(80年)で当たる確率 約19億分の1

計算2:実際に人に当たった記録から

別の角度から、実際の記録でも数えてみます。人に直撃したと確かめられている例は、1954年にアメリカ・アラバマ州で屋根を突き破った隕石が女性に当たった1件が代表的で、この70年で数えるほどしかありません。

仮に70年に1件として、この間の世界人口(平均約50億人)で割ると、1年あたり約3,500億分の1。一生80年なら 約44億分の1 です。

面積から見積もっても、確認された記録から数えても、 一生で数十億分の1 の桁になります。ここでは切りのいい 約20億分の1 を目安にします。

隕石が自分に直撃する確率シミュレーター

生きる年数を入れると、隕石の落下回数(総重量50g超・年約1万7,000回)と人の体の大きさから、隕石が自分に直撃する確率を計算します。

隕石が直撃する確率(何分の1か)
1,875,000,000
宝くじ1枚で1等に当たるより何倍低いか(倍)
94

隕石の確率をほかのリスクと比べると

「160万分の1」と「20億分の1」を、ほかの出来事と並べてみます。

イベント 確率(一生涯) 直撃との比較
交通事故で死亡 90分の1 約2,200万倍
雷に打たれて死亡 13.5万分の1 約1.5万倍
地域規模の隕石衝突で死亡 160万分の1 約1,250倍
宝くじ1枚で1等 2,000万分の1 100倍
隕石が自分に直撃 約20億分の1 基準

交通事故・雷は米国の生涯死亡確率、宝くじは年末ジャンボ1等の当せん確率

隕石が自分に直撃する確率は、宝くじ1枚で1等が当たる確率の、さらに100分の1です。 隕石の直撃を心配するより、雷に打たれる確率や交通事故を気にしたほうが、1万倍以上合理的 です。

実際に人に当たった隕石の記録

人に当たった例は世界でもひと握り

隕石が人やその寝床を直撃した例は、世界でもごくわずかです。

  • 1954年 アメリカ・アラバマ州:約4kgの隕石が屋根を突き破り、ソファで寝ていたアン・ホッジスさんの脇腹に当たった。大きなあざができたが命に別状はなかった。
  • 2021年 カナダ・ブリティッシュコロンビア州:寝ていた女性の枕元に、屋根を突き破った隕石が落ちた。体には当たらず無傷。
  • 1888年 イラク:オスマン帝国の公文書に、隕石の落下で1人が死亡したという記録が残る。

日本は世界最古の落下記録を持つ国

日本は隕石の記録でも面白い国です。

年 名称 場所 備考
861年 直方隕石 福岡県直方市 落下が目撃された隕石として世界最古
1817年 八王子隕石 東京都八王子市 江戸時代の記録
2003年 広島隕石 広島県 民家近くに落下
2018年 小牧隕石 愛知県小牧市 民家の屋根に落下

2018年の小牧隕石は民家の屋根を直撃しましたが、住民にケガはありませんでした。重さ約550g、国内で52番目に確認された隕石です。民家の屋根に当たることはあっても、人に当たった記録は日本にはありません。

2032年に衝突?小惑星「2024 YR4」

2024年末に見つかった小惑星「2024 YR4」(直径40〜90m)は、発見直後に「2032年に地球へ衝突する確率3%」と話題になりました。その後の観測で軌道が絞り込まれ、2032年に地球へ衝突する可能性も、月へ衝突する可能性も、NASAが否定しています。

ツングースカ級の隕石でも、こうして数年前から見つけて軌道を計算できる時代になっています。

隕石に当たる確率に関するよくある質問

Q1 隕石に当たって死ぬ確率は本当に宝くじより高い?
160万分の1という数字は、都市を壊す規模の衝突の影響で死亡する確率を、長い年月で平均したものです。隕石が自分の体に直撃する確率は一生で約20億分の1で、宝くじ1枚の1等(2,000万分の1)より100倍低くなります。
Q2 隕石が自分に当たる確率はどれくらい?
一生で約20億分の1です。隕石の落下回数(総重量50g超で年約1万7,000回)と人の体の大きさから計算すると約19億分の1、実際に人に当たった記録から計算すると約44億分の1になります。
Q3 隕石に当たって死んだ人はいる?
確実な記録はほとんどありません。1888年のイラクで1人が死亡したという記録がオスマン帝国の公文書に残っている程度です。1954年のアメリカでは女性に隕石が当たりましたが、あざで済んでいます。
Q4 隕石が落ちてくるのを予測できる?
大きな小惑星は予測できます。NASAなどが地球に近づく天体を監視していて、2024 YR4のように数年前から衝突の可能性を計算しています。小さな天体は事前に見つけるのが難しく、2013年にロシア・チェリャビンスクで爆発した直径約20mの天体も、落下前には見つかっていませんでした。

まとめ:「160万分の1」と「20億分の1」は別の確率

  • 隕石で死ぬ確率160万分の1は、地域規模の衝突の影響で死亡する確率
  • 自分に直撃する確率は一生で約20億分の1
  • 直撃は宝くじ1枚の1等より100倍低い
  • 「宝くじより高い」は、めったに起きない大災害が平均を押し上げた結果
  • 人に当たった記録は世界でもごくわずか。1954年の直撃例はあざで済んだ

雑学で「隕石は宝くじより当たる」と聞いたら、「それは地域ごと被害を受ける衝突で死ぬ確率で、頭に当たるのは宝くじ1等のさらに100分の1だよ」と返してみてください。

参考文献・データ出典

数字ラボ博士

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日常の「なんで?」を見つけると計算せずにはいられない。難しいことも「要するにね」と噛み砕いて、数字で答えを出すよ。

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