回転寿司の原価率ランキング|はま寿司・スシローは43〜46%、でも「高いほどお得」は半分間違い
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「回転寿司は原価率が高いから、客にとってお得」
「原価率の高いマグロやうにを食べれば得をする」
回転寿司の原価率を調べると、だいたいこの2つの話に行き着く。
でも決算の数字を並べると、 原価率がほぼ同じでも、利益率は3倍近く違う 。原価率の高さは、そのまま客の得を表す数字ではない。
【結論】
- チェーン別の原価率(決算ベース) :はま寿司を抱えるゼンショーHD 45.7%、くら寿司43.9%、スシロー43%。一般の飲食店(約35%)より10ポイント近く高い。
- ただし原価率は「客への還元率」ではない :原価率がほぼ同じスシローとくら寿司で、国内の営業利益率は6.8%と2.5%。利益を分けるのは人件費・廃棄・仕組みの差。
- 売上原価には捨てたネタの分も入る :くら寿司は廃棄率を12%超から約3%まで下げた。同じ原価率でも、捨てる量が少ない店ほど客の皿に回る分が多い。
- ネタ選びの得は本物 :マグロ・うに・ホタテ中心と、ツナマヨ・コーン中心では、同じ1,000円で食材にかかったお金が3倍以上違う。
はま寿司・スシロー・くら寿司の原価率は43〜46%
はま寿司(ゼンショーHD)の原価率は45.7%、スシローは43%、くら寿司は43.9%です。 いずれも各社の決算の売上原価率で、店がつける「目安」ではなく実際の数字だ。
| チェーン | 売上原価率 | 国内の営業利益率 | 補足 |
|---|---|---|---|
| はま寿司 (ゼンショーHD) | 45.7% | 8.4% | 原価率は牛丼など他業態を含むグループ全体 |
| くら寿司 | 43.9% | 2.5% | 材料費だけなら39.4% |
| スシロー (FOOD & LIFE) | 43% | 6.8% | 原価率は海外を含むグループ全体 |
| かっぱ寿司 (カッパ・クリエイト) | — | 1%弱 | 4社で利益率が最も低い |
| 一般的な飲食店 | 約35% | — | 日本政策金融公庫の2025年度調査 |
出典:radiko news「スシロー43%、くら寿司43.9%。常識より高い原価で回転ずしはなぜ儲かるのか」
回転寿司は、売上の4割以上を食材などの原価にかけている。一般的な飲食店より10ポイント近く高い。ここまでは、よく言われるとおりだ。
「原価率が高い=客が得」が半分間違いな理由
原価率がほぼ同じでも、利益率は2.7倍違う
原価率は、売上のうち原価に回した割合にすぎない。人件費や家賃、捨てる量を削れば、原価率を高く保ったまま利益も出せる。
実際、原価率がほぼ同じスシロー(43%)とくら寿司(43.9%)で、国内の営業利益率は6.8%と2.5%。 原価率の差は1ポイントもないのに、利益率は2.7倍違う。 グループ全体で原価率が一番高いゼンショーHDのはま寿司も、営業利益率8.4%で一番稼いでいる。
原価率の高さと利益の大きさは両立する。だから原価率だけを見て「この店は客に還元している」とは言えない。
売上原価には「捨てたネタ」も入っている
もう一つの理由が廃棄だ。売上原価には、客の口に入った食材だけでなく、 作ったのに捨てた寿司の分も入る 。
くら寿司は、皿ごとに流した時間を記録して作る量を管理し、平均12%超あった廃棄率を2021年には約3%まで下げた。捨てる量が4分の1近くに減った計算だ。はま寿司も、注文品を直送するレーンへの切り替えで、食品の廃棄を年1,100トン規模で減らす見込みだと発表している。
いまの大手は「回転」寿司といってもレーンにほとんど流さず、注文が入ってから作る方式に切り替わっている。原価率の数字が同じでも、 捨てる量が減ったぶん、客の皿に回る割合は上がっている 。原価率の高さより、廃棄の少なさのほうが客の得に効いている。
ネタ別の原価率は「店が配分した結果」
ネットに出回るネタ別の原価率は、どのチェーンも公表していない。業界レポートや元店長の証言をもとにした目安だ。
店は、マグロやうにのような集客ネタを原価率60〜80%で出し、ツナマヨや玉子、サイドメニューで回収して、全体を43〜46%に収める。 客がマグロばかり食べることも、店は最初から織り込んでいる 。高原価率ネタを狙うのは、店の想定の中で一番いい席を取る行為で、店を出し抜いているわけではない。
ネタ別の原価率ランキング:高いネタ・低いネタ一覧
ここまでは「原価率が高いチェーン=得」が成り立たない話。一方で、 同じ店の中でネタを選んで得をする のは本当に効く。1皿の値段が同じなら、原価率の高いネタほど、払ったお金のうち食材に回る額が大きいからだ。
ネタ別の目安を一覧にまとめる。
原価率が高い(お得な)ネタ一覧
| ネタ | 原価率の目安 | コスパ評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| マグロ(赤身) | 60〜80% | ★★★★★ | 集客の目玉。店によっては赤字 |
| 大トロ・中トロ | 60〜80% | ★★★★★ | 高額皿でも原価率は同様に高い |
| うに | 70〜80% | ★★★★★ | 天然うには特に仕入れ原価が高い |
| いくら | 70〜80% | ★★★★★ | マグロ・うにと並ぶ高原価率 |
| ホタテ | 約50% | ★★★★☆ | 貝類は仕入れ原価が高止まり |
| 赤貝・つぶ貝 | 50〜65% | ★★★★☆ | 天然貝類は希少性で価格高め |
| ボタンエビ・甘えび | 50〜65% | ★★★★☆ | 鮮度管理コストが高い |
| サーモン | 約60% | ★★★★☆ | 人気・原価率ともにバランス良好 |
| ハマチ・ぶり | 約60% | ★★★☆☆ | 旬の時期は特にお得 |
| えんがわ | 45〜55% | ★★★★☆ | カレイ系は仕入れ価格が安定して高い |
| 鯛(たい)・かんぱち | 約50% | ★★★★☆ | 白身でも原価率は高め |
原価率が中程度のネタ一覧
| ネタ | 原価率の目安 | コスパ評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| イカ | 35〜45% | ★★★☆☆ | 安定的な中間ネタ |
| タコ | 30〜40% | ★★★☆☆ | 加工品も多く原価はやや低め |
| エビ(むきえび) | 30〜40% | ★★★☆☆ | 養殖エビは仕入れが安定 |
| ツナ(そのまま) | 30〜40% | ★★★☆☆ | 缶詰加工で安定 |
| サバ・しめさば | 30〜40% | ★★★☆☆ | 青魚は安価で仕入れやすい |
原価率が低い(店が儲かる)ネタ一覧
| ネタ | 原価率の目安 | コスパ評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 玉子 | 20〜25% | ★★☆☆☆ | 工場大量生産で価格が超安定 |
| カニカマ(かにかまぼこ) | 15〜25% | ★★☆☆☆ | 原材料が安価な加工品 |
| ツナマヨ軍艦 | 15〜20% | ★☆☆☆☆ | 缶詰+マヨで材料費は驚くほど安い |
| コーン軍艦 | 10〜15% | ★☆☆☆☆ | 缶詰野菜で最安クラスの原価 |
| かっぱ巻き | 15〜20% | ★★☆☆☆ | きゅうりは原価が安い |
| 納豆巻き | 15〜20% | ★★☆☆☆ | 発酵食品で保存も効く安定食材 |
| ラーメン・ポテト等サイドメニュー | 約40% | ★★☆☆☆ | 単価が高く、1杯で寿司4皿分ほどの利益 |
ツナマヨ・コーン軍艦はお店の「稼ぎ頭」。マグロを原価割れぎりぎりで出しても、こういうネタでしっかり回収しているんです。
数字で見る「1,000円の回転寿司の中身」
1,000円分食べたとして、ネタの組み合わせでどう変わるか試算してみよう。
| パターン | 平均原価率 | 食材にかかったお金(1,000円あたり) |
|---|---|---|
| マグロ・うに・ホタテ中心 | 約65% | 約650円 |
| 玉子・ツナマヨ・カニカマ中心 | 約18% | 約180円 |
チェーンを選び分けても原価率の差は3ポイントほど。ネタを選び分ければ差は40ポイント以上。 得をしたいなら、店選びよりネタ選びのほうが効く。
チェーン別の特徴と攻略ポイント
スシロー
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 得意ネタ | サーモン・マグロ・季節フェア |
| 攻略法 | 限定フェアは原価率高め。「本まぐろ」「天然もの」などのキャンペーンを狙え |
| 注意点 | サイドメニュー(ラーメン・デザート)は原価率低め |
| 原価率が高い皿 | 赤皿(高額皿)のフェアネタ |
くら寿司
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 得意ネタ | ビッくらポン対象皿(5皿ごとにガチャ) |
| 攻略法 | ゲームの楽しさが加わり体験価値が高い。食材コスパは他社並み |
| 注意点 | ガチャ目的でついムダに食べすぎるリスク |
| 原価率が高い皿 | 「職人のこだわり」シリーズ |
はま寿司
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 得意ネタ | 最安価格帯の皿の品数が多い。注文品を直送するレーン |
| 攻略法 | 最安皿のマグロ・サーモン・はまちを中心に組み立てる |
| 注意点 | 期間限定の高級皿は1皿の値段が高い |
| 原価率が高い皿 | フェアのマグロ皿 |
かっぱ寿司
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 得意ネタ | 一部店舗・期間限定の食べ放題企画 |
| 攻略法 | 食べ放題ならマグロ・サーモン・ホタテを優先するのが鉄則 |
| 注意点 | 食べ放題は実施店舗と時間が限られ、事前予約が必要 |
| 原価率が高い皿 | 食べ放題でのプレミアム系ネタ |
回転寿司で得をする4つの方法
1. マグロ(特にキャンペーン品)を優先する
マグロは集客の目玉で、原価率60〜80%とネタの中で最も高い部類だ。「本まぐろフェア」などのキャンペーン品は特に力が入っている。
2. 旬・季節限定ネタを狙う
期間限定メニューは客寄せのために利益を削っていることが多い。旬のネタは品質面でもお得だ。
| 季節 | 旬のお得ネタ(目安) |
|---|---|
| 春(3〜5月) | 真鯛・ホタルイカ・あさり |
| 夏(6〜8月) | うに・ほっき貝・すずき |
| 秋(9〜11月) | サンマ・戻りがつお・鮭(いくら) |
| 冬(12〜2月) | 寒ぶり・たら・牡蠣 |
3. サイドメニューは本当に食べたい時だけ
ラーメンなどのサイドメニューは原価率約40%で、マグロやうにの半分ほど。単価が高く、1杯で寿司4皿分ほどの利益が出るとも言われる。「ついでにラーメン」は予算の効率が悪い。
4. アプリ・会員クーポンを使う
スシロー・くら寿司・はま寿司はどのチェーンもアプリやLINEでクーポンを配っている。値引きはそのまま実質の原価率を押し上げる。
まとめ:原価率は「店の還元率」ではなく「ネタ選びの物差し」
- はま寿司(ゼンショーHD)の原価率は 45.7% 、スシローは 43% 、くら寿司は 43.9% (決算ベース)
- 原価率がほぼ同じスシローとくら寿司で、国内の営業利益率は 2.7倍 違う
- 売上原価には 捨てたネタ も入る。廃棄の少ない店ほど客に届く割合が高い
- チェーン間の原価率の差は 3ポイント 、ネタ間の差は 40ポイント以上
- 得をしたいなら 店選びよりネタ選び 。マグロ・貝類・季節限定を優先する
原価率は、どの店が客思いかを測る数字ではない。同じ店の中で、どの皿が得かを測る物差しとして使うのが正しい。