【2026年】世界の平均身長ランキング|日本は伸びが止まり縮み始めた
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「日本人の身長は昔より伸びた」——たしかに、戦後から高度成長期にかけてはその通りでした。
ところが、日本人の平均身長は1978年生まれをピークに、下がる方向へ転じたと推計されています。100年で世界的に伸びたこの指標で、日本は早い時期に伸びが止まり、そこから低下に向かった数少ない先進国の1つです。
この記事では、世界の平均身長ランキングを並べたうえで、日本に何が起きたのかを数字で追います。
【先に結論:世界一はオランダ182.5cm。日本は伸びが止まり、1.5cm縮む見込み】
| 論点 | 数字での結論 |
|---|---|
| 世界1位 | オランダ男性182.5cm(1996年生まれ)。女性はラトビア・オランダなどが168cm超。 |
| 世界最下位 | 男性は東ティモール・イエメン・ラオスで約160cm。女性はグアテマラ149.4cm。 |
| 日本のピーク | 1978〜79年生まれの男性171.5cm・女性158.5cm。以降は低下傾向。 |
| 縮む幅(予測) | 2014年生まれの成人身長予測は男性170.0cm・女性157.9cm。ピークから男性1.5cm、女性0.6cm低い。 |
| 遺伝の寄与 | 個人差の約80%が遺伝で説明される。ただし集団の平均を動かすのは栄養など環境側。 |
目次
世界の平均身長ランキング|男女別の上位国・最下位国を比較
数字の出典は、世界200か国・1,472件の調査・1,860万人分のデータを統合したNCD-RisC(NCD Risk Factor Collaboration)の研究です。100年分の出生コホート別に身長を追跡しています。ランキングの基準は1996年生まれの成人身長で、2026年時点の測定値ではありません。以下の数字はすべてこのコホートのものです。
| 区分 | 国 | 平均身長(1996年生まれ) |
|---|---|---|
| 男性1位 | オランダ | 182.5cm |
| 男性上位 | モンテネグロ、エストニア | 181cm前後 |
| 男性最下位級 | 東ティモール、イエメン、ラオス | 約160cm |
| 女性上位 | ラトビア、オランダ、エストニア、チェコ | 168cm超 |
| 女性最下位 | グアテマラ | 149.4cm |
男性の最高と最低の差は約22cm、女性でも約19cmあります。同じ人類でありながら、生まれた国が違うだけでこれだけ開きます。
なお、この研究は日本の国別順位を数値で示していません。日本の位置づけは順位ではなく推移で見るほうが正確で、その中身は後半の「日本人の平均身長の推移|伸びの停滞と低下傾向」で扱います。
オランダは1800年代半ばまで、ヨーロッパでもむしろ背の低い国だった。それが150年で世界一になった。身長は国の栄養状態と公衆衛生の通信簿みたいなものなんだ。
世界の平均身長の推移|男性は100年間で約8cm上昇
もう1つ押さえたい数字があります。世界全体の平均身長の推移です。
- 1896年生まれの男性:約163cm
- 1996年生まれの男性:約171cm
- 100年間の伸び:約8cm
男女差は一貫しており、1896年生まれで約11cm、1996年生まれで約12cmです。男性が女性より背が高いのは、調査された全ての国で共通しています。
伸び幅が最大だったのは、男性がイランの16.5cm、女性が韓国の20.2cmです。韓国男性も15.2cm伸びており、日本や中央・東欧諸国も10〜15cmの伸びを記録しています。つまり東アジアは、この100年で最も背が伸びた地域の1つでした。
日本人の平均身長の推移|伸びの停滞と低下傾向
ここが本題です。世界が伸び続けたのに、日本は途中で止まりました。
NCD-RisCの研究は「日本の目覚ましい身長の伸びは、1960年代前半以降に生まれた人々で止まった」と明記しています。停滞そのものは日本だけの現象ではなく、同じ研究は韓国(男性は1980年代生まれ以降)やバングラデシュ、インドでも頭打ちを報告しています。そのうえで国立成育医療研究センターの分析では、日本については止まっただけでなく低下に転じていると推計されました。
なお、この2つは別々の研究です。NCD-RisCは1896〜1996年生まれの成人身長を各国の測定データから推計したもの、国立成育医療研究センターは日本の出生年別に成人身長を推計したもので、対象も手法も違います。「1960年代生まれで停止」と「1978〜79年生まれがピーク」がずれるのはそのためです。
| 区分 | ピーク(1978〜79年生まれ) | 2014年生まれの予測 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 171.5cm | 170.0cm | ▲1.5cm |
| 女性 | 158.5cm | 157.9cm | ▲0.6cm |
先進国で平均身長が下がるのは、かなり珍しい現象です。飢餓や戦争があったわけでもありません。
日本人の平均身長が低下する要因|低出生体重児の増加との関連
研究チームが要因の1つとして挙げたのは、生まれたときの体重です。
1970年代後半:5.1%(過去最低) 2007年:9.7%(男児8.5%・女児10.6%)
低出生体重児の出生率と、その年に生まれた子の平均成人身長には強い逆相関が確認されています。相関係数は男性で-0.98、女性で-0.88。統計としてはかなり強い関係です。
低出生体重児が増えた背景には、妊娠中の体重増加を抑える指導、若い女性のやせ志向、出産年齢の上昇などが挙げられています。生まれる前の環境が、20年後の身長に効いているという構図です。
相関係数-0.98というのは、ほぼ一直線に右下がりで並んでいるレベル。もちろん相関は因果とイコールではないけれど、これだけ揃うと無視はできない数字だ。
身長はどれくらい遺伝する?遺伝率と環境要因の関係
「親が小さいから」とよく言われます。これは数字でどこまで正しいのか。
身長の遺伝率は約80%|個人差を説明する数字の意味
双生児研究のメタ分析では、身長の相関係数は一卵性双生児で0.93、二卵性双生児で0.54でした。この差から推定される遺伝率は約80%です。
| 要因 | 寄与の目安 | 中身 |
|---|---|---|
| 遺伝 | 約80% | 単一の遺伝子ではなく、700以上の遺伝的変異が関与するポリジーン遺伝 |
| 環境 | 約20% | 幼少期の栄養状態、健康状態、睡眠など |
「身長を決める遺伝子」という単独の遺伝子は存在しません。25万人以上のゲノムを解析した国際研究(GIANT consortium)では、身長に関連する遺伝的変異が700以上特定されています。1つあたりの効果はごく小さく、それが積み上がって身長になります。
平均身長が変化する理由|栄養などの環境要因が与える影響
ここで注意したいのは、遺伝率80%が答えている問いです。これは「同じ時代・同じ環境にいる人どうしの身長差が、どれくらい遺伝で説明できるか」を示す数字であり、「世代間で平均が何cm動いたか」の内訳ではありません。
実際、戦後の日本人が10cm以上伸びたのは、遺伝子が変わったからではなく、栄養が改善したからです。遺伝子プールは数十年では変わりません。つまり、集団の中のばらつきは遺伝の影響が大きい一方で、集団の平均値を動かすのは環境のほうだ、という話です。オランダが150年で世界一になったのも、日本の平均が下がると推計されているのも、環境側で起きた出来事です。
身長を伸ばすサプリ・器具の効果は?成長期と成人後の違い
数字ラボらしく、費用対効果でも整理します。身長を伸ばすサプリや器具は多く売られていますが、栄養が足りている状態からさらに上積みできると示した確かなデータはありません。効くのは、成長期に栄養不足や慢性疾患を抱えていない状態を保つことです。
集団レベルで身長を動かした実績があるのは、幼少期の栄養状態と健康状態です。データで裏づけがあるのはここだけです。
一方、骨端線が閉じた後にサプリや器具で身長が伸びたという確かなデータはありません。骨の成長が終わった時点で、その人の身長はほぼ確定します。投資できる期間が限られているという点が、この形質の特徴です。
コスパの観点で結論を出すなら、成人後に身長を伸ばす商品への支出は期待値が立ちません。効くタイミングは妊娠期と幼少期に集中しており、しかも当人ではなく親が動く期間です。
平均身長のデータを生活に生かす|サイズ選びと成長期の栄養
ランキングを眺めるだけでは数字が使えていません。この記事のデータから実際に使える点は3つです。
1. 日本人の平均身長の推移を衣服・家具のサイズ設計に生かす
制服のサイズ設計、住宅の天井高、家具の寸法。日本人の身長が伸び続ける前提で作られた想定は、すでに現実と合っていません。ピークは1978年生まれです。
2. 身長と栄養の関係|胎児期から思春期の成長環境
身長に対して環境が効くのは、生まれる前から思春期の終わりまでです。NCD-RisCの研究も、胎児期・乳幼児期の栄養に加えて、思春期の栄養状態と感染症の少なさを成人身長の重要な決定要因として挙げています。低出生体重児の割合と成人身長の相関係数-0.98という数字は、そのうち出生時点の重みを示すものです。
3. オランダの平均身長が高い理由|栄養と公衆衛生の変化
オランダが150年で最下位級から1位まで動いたのは、遺伝子プールが変わったからでは説明できません。栄養と公衆衛生の積み重ねが効いています。日本の数字が動いたのも同じ方向の話です。身長ランキングは、国の生活環境の履歴書として読むほうが情報量があります。
世界の平均身長ランキングに関するよくある質問
Q1. 世界で一番背が高い国はどこですか?
1996年生まれの男性ではオランダが182.5cmで1位です。女性はラトビア、オランダ、エストニア、チェコが168cmを超えています。男性の最下位級は東ティモール、イエメン、ラオスで約160cm、女性の最下位はグアテマラの149.4cmです。
Q2. 日本人の平均身長は今も伸びていますか?
伸びていません。1960年代前半生まれ以降で伸びが止まり、1978〜79年生まれの男性171.5cm・女性158.5cmをピークに低下しています。2014年生まれでは男性170.0cm・女性157.9cmと予測されており、男性で1.5cm縮む計算です。
Q3. 身長はどれくらい遺伝で決まりますか?
双生児研究から推定される遺伝率は約80%です。ただしこれは「同じ環境にいる人どうしの身長差」を説明する数字で、世代間で平均が動いた理由の内訳ではありません。戦後の日本人が10cm以上伸びたのは遺伝子の変化ではなく栄養改善によるもので、集団の平均を動かすのは環境側です。
Q4. なぜ日本人の身長が下がっているのですか?
低出生体重児(2,500g未満)の増加が要因として指摘されています。出生率は1970年代後半の5.1%から2007年には9.7%に上昇しました。低出生体重児の出生率と成人身長の相関係数は男性で-0.98、女性で-0.88と強い逆相関が確認されています。
まとめ:世界の平均身長ランキングと日本人の身長の推移
- 世界1位はオランダ男性の182.5cm(1996年生まれ)。最下位級は約160cmで、差は約22cm。
- 世界の男性平均は100年で約163cm→約171cmと8cm伸びた。伸び幅の最大は男性がイラン16.5cm、女性が韓国20.2cm。
- 日本は1960年代前半生まれで伸びが止まり、1978〜79年生まれ(男性171.5cm・女性158.5cm)がピーク。
- 2014年生まれの予測は男性170.0cm・女性157.9cm。先進国で平均身長が下がる珍しいケース。
- 遺伝率約80%は個人差の説明であり、集団の平均を動かしているのは環境要因。
順位そのものより、その国が過去100年に何を食べ、どんな医療を受けてきたかが、この数字には出ています。
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